かきの旬はいつ? 種類別の旬を知ってぷりぷりクリーミーな味を堪能しよう!

人気の食材「かき」の旬がいつか知っていますか。
一般的には冬と答える人が多いようですが、実はかきの種類によって旬がそれぞれ異なります。
この記事では、かきの種類などの基礎知識から具体的な旬の時期、さらに旬に関する豆知識まで紹介します。
かきの旬について知れば、1年中おいしいかきを味わえるようになれるはずです。

目次
  • かきとはどんな貝?
    • 「かき」とは
    • かきの種類
  • かきの旬はいつ?
    • かきの旬の定義
    • 旬が決まる要素
    • 岩ガキの旬
    • 真ガキの旬
  • かきの旬に関する豆知識
    • Rのつかない月は食べてはいけない?
    • 春が旬のかきもある?

かきの旬を説明する際に必要となる基礎知識として、まず、かきがどんな貝なのか紹介します

かきとはどんな貝?

「かき」とは

かきとはごつごつとした岩のような殻をもつ2枚貝のことです。
旬のかきは身がふっくらしてクリーミーなことから「海のミルク」とも呼ばれます。
かきは生きている間ほとんど動かないため、海中のプランクトンや山から海に流れ込む植物・動物プランクトンがおいしさにとって重要です。
かきの産地として名高い場所は自然の恵みが豊かで、栄養分をたっぷり吸収しています。

かきは栄養価が高く、100グラム(生食)で1日に必要なタンパク質の3分の2が摂取できます。
カルシウムは1日に必要な量の3分の1、リンは全量、鉄分とヨードは4倍も含まれています。
かきは天然もの以外に日本各地で養殖が行われており、広島県・宮城県・岡山県が特に生産量が多い地域です。
2017年都道府県別のかき水揚げ量では広島が10万3454トン(シェア59.5%)、宮城2万4417トン(シェア14.0%)、岡山1万3545トン(シェア7.8%)となっています。

かきの種類

その地元特有のかきのことを「地ガキ」と別称することもあります。
たとえば、北海道の厚岸(あっけし)産のかきは、地ガキのひとつです。
厚岸(あっけし)という北海道の地名は、アイヌ語で「カキがたくさんいる場所」という意味を持っています。
明治時代に乱獲や環境の変化が原因で生産が一時期途絶えましたが、町全体が総力を挙げて純厚岸産の「地ガキ」を復活させました。

岩ガキ

岩ガキは真ガキに比べて大きいのが特徴です。
天然ものは水深20m程までの岩礁などに固着しており、青森県の陸奥湾から九州の日本海側で多く獲れます。
岩ガキに天然ものが多いのは、海の深い場所で育つため養殖が難しいからです。
冬の極寒の海には潜れなくなり禁漁期とも重なるので、天然ものの岩ガキは少量しか出回りません。

岩ガキの養殖は主に日本海側で行われています。
特に評価が高いのは島根県の隠岐島、西ノ島町で養殖に成功した「春香(はるか)」です。
かつては高級料亭や専門店のみで扱われるかきでしたが、現在では西ノ島町や海士町でも養殖されており、一般の人も手に入れやすくなりました。

真ガキ

真ガキは世界で最も知られ食されているかきです。
真ガキは養殖物がほとんどで、おもに太平洋側で養殖されています。
日本におけるかきの水揚げトップ3の広島県・宮城県・岡山県で養殖されているのも真ガキなのです。
広島県は官民挙げてのブランド戦術もあって、日本でのシェア60%程度を占めるまでになりました。
宮城県は松島湾で養殖されている真ガキが人気です。
岡山県は広島県と似た入り組んだ地形を持つ瀬戸内海で養殖を行っており、中でも日生(ひなせ)地区が最も盛んです。
ほかにも全国各地の太平洋沿岸で生産されています。

養殖ものは天然ものに劣る、というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、限られた地域を除けば、天然のかきが着生する場所は餌がそれほど豊富でないため、身が小さくなりやすく味も落ちてしまいます。
一方、養殖では餌を豊富に与えられるため、真ガキは天然ものより養殖もののほうがおいしいといわれているのです。

養殖は海中に吊した貝殻にカキの幼生を付着させる方法で行われます。
養殖場所には山からの植物プランクトンや動物プランクトンが流れてくる川の河口を選ぶのが一般的です。
3年ほどもかけて養殖すると、身が大きくクリーミーな味わいのかきに育ってきます。

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かきの旬はいつ?

ここでは、かきの「旬」の定義や、旬が決まる要素、具体的な時期を紹介します。

かきの旬の定義

天然ものが多い岩ガキは、禁漁期もある関係から冬にはあまり出回りません。
しかし、ほとんどが養殖の真ガキと併せると、カキは通年手に入る食材です。
そのためかきに関しては、最もおいしく食べられる時期を「旬」といいます。
一般的には、特に多くの日本人に人気のある「太ったクリーミーなかき」が食べられる時期が、旬として定義されています。

旬が決まる要素

かきの旬を決める最も大きな要素は産卵期です。
かきには産卵のために栄養を蓄える時期と産卵のために栄養を使い切る時期が繰り返し訪れます。
栄養を蓄え続ける間、かきは太り続け味もクリーミーでおいしくなります。

岩ガキの旬

岩ガキの旬は初夏~秋口(5月から9月)です。
岩ガキは夏に産卵しますが、少しずつゆっくり産卵する性質があるため、身がやせることはありません。
産卵のためにたっぷり栄養を蓄えた状態が続く初夏~秋口がおいしく食べられる時期です。

サイズが大きいものが多く、身がプリプリしている岩ガキは殻を開いて生で食べるのが最もおいしいといわれています。
シャンパンと一緒に味わってみてはどうでしょうか。
ちなみに、かきとシャンパンの組合わせは、フランス革命の50年ほど前、ジャン=フランソワ・ド・トロワによって描かれた「牡蠣の昼食」という絵画によって広まったといわれています。
豪勢で滋養豊富な食材として、当時の貴族たちが好んでかきを食していた様子がわかります。

真ガキの旬

真ガキの旬は秋口から春先(10月から3月)です。
真ガキは5月から8月に産卵をはじめ、9月頃までに産卵を終えます。
このとき、岩ガキと違い、産卵のために溜めていた栄養分を一気に使ってしまうのが真ガキです。
産卵期の真ガキは、栄養を使い切って身が細り、味も落ちてしまいます。
そのため、その後栄養を再び蓄えている秋口から春先が旬になります。

スーパーなどで手軽に購入しやすいのは真ガキのためか、かきといえば冬をイメージする人は多いのではないでしょうか。
寒い日に食べたくなるのがかき雑炊です。
漫画「美味しんぼ」の海原雄山のモデルになった美食家、北大路魯山人(きたおうじろさんじん)によると、「こんなものを作ることは、まったくなんでもないこと」なのだそうです。
「大たいそうに考えるようなことがあっては馬鹿を見る」とも書いているので、まずは、おいしいかきを手に入れることだけに専念して、至高のかき雑炊を作ってみてはどうでしょうか。

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かきの旬に関する豆知識

ここでは、かきの旬に関する豆知識を2つ紹介します。

Rのつかない月は食べてはいけない?

かきについて「Rの付かない月にはかきを食べるな」ということわざがあります。
これを読むと、英語表記でRが付かない5月(May)、6月(June)、7月(July)、8月(August)は、かきの旬ではないとも考えられます。
しかし、このことわざは現代の日本ではあてはまりません。
このことわざの由来は、200年前のフランスでかきが腐ってしまいやすい5~8月の取引を法令で禁止していたことであるからです。
日本では岩ガキの旬が5~9月で、好んで食べられています。

春が旬のかきもある?

産地や養殖方法によって旬は異なり、春が旬のかきもあります。
たとえば岩手・三陸地方、釜石の「桜満開牡蠣」です。
男性の手のひらサイズが魅力の大きなかきは、名前のとおり、桜が咲く時期が旬です。
当初は認知度が低く、旬を外れた売れ残り品とみなされることが多かったそうですが、気候の変化で大きなサイズのかきの流通量が減ったことで、人気がブレイクしました。

陸前高田の「雪解け牡蠣」も春が旬のかきです。
雪解けの季節を迎えると、山の豊富なプランクトンが清流気仙川に流れ込み、「スプリング・ブルーム(春季大繁殖)」という現象を起します。
これによって、栄養たっぷりの雪解け牡蠣が養殖されるのです。

島根県隠岐島産の岩牡蠣「春香」も春が旬です。
暖流と寒流が交わりプランクトンが豊富な漁業の山陰海岸で養殖された岩ガキは、おいしさの指標になるグリコーゲンの量が3~7月にピークになります。
春香は築地市場でも高値で取引されており、東京のオイスターバーでは1個700円以上の値段で提供されている高級食材です。

食べたいタイミングで一番おいしい「旬」のかきを選ぼう!

かきは種類によっておいしく食べられる旬の時期が違います。
それぞれの種類のかきを最もおいしく食べられる時期がわかったところで、ぜひ今旬を迎えているかきを選んで味わってみましょう。
とれたてねっとでは北海道の厚岸、仙鳳趾(せんぽうし)など、質が高く厳選したかきのみ販売しています。
ぜひ試してみてはどうでしょうか。
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