鮭にはどんな種類がある? 鱒との違いや種類別の特徴について解説

鮮やかな身の色が美しい鮭は、食事の席でも目を引く存在となっています。
しかし、鮭といってもいくつかの種類があり、市場に出回っているものを購入する際にはそれぞれの特徴を覚えておくと便利です。
鮭と見た目が似ている魚として鱒がいます。
こちらの記事では、鮭と鱒の違いや鮭の種類別の特徴について詳しく紹介していきます。

目次
  • 鮭と鱒の違いとは
  • 種類別の鮭の特徴
    • 白鮭
    • 紅鮭
    • 銀鮭
    • キングサーモン
    • カラフトマス
    • サクラマス
    • ニジマス

鮭と鱒の違いとは

鮭と鱒の違いについては、はっきりとした線引きがされていません。 多くの場合、海へ下るのが鮭・川に残るものが鱒だと考えられています。 ただ、同じ鱒でもヒメマスやニジマスのように川に残るタイプと海へ下るタイプもいます。 また、名前で区別することも難しいです。 例をあげると、カラフトマスは名前にマスという名がついていますが、実際にはマスではなく鮭の仲間です。

魚類の分類体系におけるサケ属には7種類があります。 食卓によく出てくる白鮭(秋鮭)・カラフトマス・紅鮭や紅鱒・ますのすけ(キングサーモン)・鱒(さくらマス)・銀鮭・虹鱒です。 元々は6種類でしたが、1988年、ニジマスが鮭の仲間として認められ、7種類になりました。 よく聞く名前としてアトランティックサーモンもありますが、こちらはサケ属ではなくサルモ属(大西洋鮭)です。 そのため、鮭であるか鱒であるかの見解は分かれます。

種類別の鮭の特徴

こちらでは、サケ属に分類されている7種類について1つずつ詳しく紹介します。

白鮭

日本で「鮭」といえば、一般的にこの白鮭のことを指すことが多いです。
さまざまな鮭料理を作れることから、非常に親しまれている種類です。
白鮭は漁獲する時期によって、秋鮭・時鮭(トキシラズ)・鮭児(ケイジ)と呼び方が変わります。
秋鮭は9~11月頃に生まれた川に戻ってくる鮭のことで、大量に漁獲する時期が白鮭の旬の時期です。
時鮭は春~初夏に漁獲される鮭のことで、時季はずれとはいえ、脂が全身にのっているのでとてもおいしい鮭です。
鮭児は秋鮭を漁獲する際に時々獲ることができる成熟前の鮭で、1万匹に1、2匹しか獲れない非常にレアな白鮭です。

白鮭が発生したのは日本近海だといわれていますが、現在漁獲のほとんどが北太平洋です。
河川で孵化した後もほとんど餌をとらず、多くが海へ下るのが特徴です。
また、生まれた川への依存性が低いため、鮭の中ではそのときの環境に順応しやすい最先端の種です。

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紅鮭

紅鮭は鮭の中でも高級で、最もおいしいといわれています。
産卵前に身が「婚姻色」と呼ばれている美しい紅色に染まります。
この紅色はアスタキサンチンというカロチノイド色素由来の色で、抗酸化力が高いことで知られています。
アンチエイジング効果も期待できるので、年齢肌のことが気になる人にもおすすめできる種類です。
紅鮭の多くは北米やロシアからの輸入ですが、北海道の一部でも漁獲されることがあります。
紅鮭は湖で孵化し、1~3年ほどその場で過ごしてから海へ下ります。
さらに、海で2~4年ほど生活した後、産卵のために生まれた湖へと帰ります。
紅鮭の場合、海に確実につながっている湖という特殊な環境が必要なので、回帰率は鮭の中でもダントツです。

味はほんのりとした甘さがあり、コクと旨みがおいしいのであら汁やお茶漬け・塩焼きなどにするとおいしく食べられます。
アメリカではスモークサーモンがおいしいと人気です。

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銀鮭

銀鮭はその名のとおり全体的に銀色で、背中は深緑がかった青色に黒点が散らばっているのが特徴です。
見た目的には、サクラマスが酷似しています。
銀鮭はほかの種と比較して成長が早く、養殖されているので市場にも多く出回っています。
1993年頃までは北米から卵を輸入していました。
1976年に宮城県で養殖が始められ、低価格なチリ産が輸入されるようになるまで、市場で出回っている銀鮭のほとんどが宮城県産だったのです。
銀鮭は河川で孵化した後1、2年をそこで過ごし、海で2~3年回遊してから再び母川へと戻ってきます。

銀鮭はおにぎりの具やお弁当のおかずとして人気が高く、飲食店でも定番のメニューとして提供されています。
三陸などで養殖された銀鮭も販売されていますが、スーパーなどで見かけるものはロシアやチリ産が多くなっています。

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キングサーモン

キングサーモンは世界最大級の鮭の種で、大きな個体では全長2m・重さ40kgにまで成長します。
日本ではまれに三陸沖の定置網などで漁獲されることがあり、マスノスケと呼ばれています。
日本で見かけるキングサーモンはカナダ・アラスカ・ロシア産、もしくはキングサーモンと名前はつけられているアトランティックサーモンです。
かつて村上・三面川で移植が試みられていますが、定着しませんでした。
キングサーモンは孵化後2つのタイプに分かれます。
1つは孵化してすぐに海へ下るタイプ、もう1つは1~2年は生まれた河川で過ごし、その後海へ下るタイプです。
どちらも海で2~5年ほど過ごした後、母川へと戻ってきます。
海へ下った翌年に戻ってくるオスもおり、大きさは50cm程度でも成熟度が高く、ジャックサーモンと呼ばれています。

キングサーモンは身が分厚く、脂肪が多いです。
そのため、ステーキで食べるのが適していますが、ほかにもホイル焼きや蒸し物、スモークサーモンなどにしてもおいしく食べられます。

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カラフトマス

カラフトマスは鮭の中でも最も小さな種で、全長60cm程度です。
日本国内では多くが北海道東部のオホーツク海沿岸で7~8月頃に漁獲されます。
この2カ月間の漁獲量で、国内消費のほとんどを満たしているのです。
セッパリマスやアオマスとも呼ばれており、岩手県ではサクラマスと呼ばれています。
ただし、サクラマスという種とは別ものです。
セッパリマスと呼ばれているのは、産卵時期のオスの背びれの前部が盛り上がるためです。
白鮭より成熟年数が短く、海へ下っても2年で母川へ戻ってきます。

カラフトマスは2つのタイプがおり、奇数年と偶数年に分かれているので遺伝的にこの2つが混ざることはありません。
ただし、回帰率はほかの種と比較して高くないので、ほかの河川のものと遺伝的混合を繰り返しているとされています。
カラフトマスの脂身はほかの鮭と比べて少なめで、筋肉が発達していません。
そのため、調理をしても身がほぐれやすいです。
揚げ物や焼き物にされることが多く、身の部分は缶詰にされ、カラフトマスの卵は筋子として食べられています。

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サクラマス

サクラマスはホンマスやマスと呼ばれており、海へ下るタイプがサクラマス、河川に残留するタイプがヤマメと区別されています。
北アメリカ大陸周辺には分布しておらず、ほとんどがオホーツク海沿岸・朝鮮半島・北日本です。
河川で孵化してから1年半後の春に海へ下り、1年間海で過ごしてから春に母川へ戻ります。
春の桜が咲く時期に戻ってくるので、サクラマスと呼ばれているのです。
産卵時期は秋ですが、時期がくるまではほとんど動きません。
河川に戻ってからは餌も食べないともいわれています。
サクラマスには亜種がおり、琵琶湖のビワマス・南日本や西日本のサツキマス・台湾のタイワンマスがいます。
サツキマスの河川残留型はアマゴです。
サクラマスはほとんど食べられることはありませんが、富山県の鱒寿司に使われています。

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ニジマス

北アメリカ大陸原産の鮭で、養殖が行なわれています。
スーパーではサーモントラウトやトラウトとして販売されているものがありますが、こちらはチリ産で海上で養殖されたものです。
棲んでいる環境によって呼び名が変わり、サーモントラウト以外にも河川に残るタイプがレインボートラウト・陸海型はスチールヘッドトラウトと呼ばれています。
サーモンの中でも比較的よく見かけます。
日本国内でも養殖はされているものの、流通されているものは少なめです。
スーパーで販売されている20cmほどのニジマスは国産の養殖ものであることが多いです。
また、渓流の釣り場で見かけるのもニジマスです。

クセがなく、あっさりとした味・アトランティックサーモンより低価格であるニジマスは100円回転寿司などでも寿司ネタとなっています。
また、その味からクリームシチューやパスタの具材にしてもおいしいです。

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鮭は種類によって適した料理が変わる

鮭と鱒の境界線については非常に曖昧で、はっきりとした区別はされていません。
しかし、鮭の分類については7種類のみとなっています。
日本でさまざまな料理に使われている白鮭や銀鮭、ニジマスなどもその中に含まれています。
それぞれの鮭の種類によって味や食感がまったく違うため、鮭本来の味を楽しむためには特徴を活かした最適な方法で調理するのが良いでしょう。