蟹の簡単な剥き方とは? 準備する道具や種類別の剥き方について解説
蟹は蒸して食べたり鍋に入れたりして食べると非常に味わい深く、寒い季節が近くにつれ需要が高まる人気の高い食材です。
その一方で、殻を剥くのが難しく、食べるのに手間がかかってしまうという欠点があるのも事実です。
どうすれば簡単に殻が剥けるのか知りたい人も多いでしょう。
そこで今回は、蟹を楽しく食べるために用意するべき道具や、蟹の種類ごとの正しい剥き方について解説していきます。
- 蟹を剥く前に準備する道具
- 種類別の蟹の剥き方
- 毛蟹
- タラバガニ
- 花咲ガニ
蟹を剥く前に準備する道具
蟹の殻を剥くときはどうしても手が汚れてしまいます。
慣れてくれば素手でも蟹が剥けるようになりますが、初めのうちは包丁やキッチンバサミを使って食べることをおすすめします。
また、テーブルが汚れるのを防ぐことを考えると、それらの道具を使うときはまな板や新聞紙も用意しておいたほうがいいでしょう。
食卓に並べるときには大きめのお皿も必要になってきます。
そのほかにも、殻の中から身を取るにはなるべく先が尖ったものを準備しなければなりません。
割り箸を使うと楽に身を取り出すことができます。
さらに、甲羅のトゲが手に刺さる可能性もあるので手はしっかりガードしましょう。
素手で剥くのではなく念のため軍手をすることをおすすめします。
種類別の蟹の剥き方
必要な道具が一式用意できたら、次は実際に蟹の殻を剥いていきましょう。
ひと口に蟹といっても種類がいくつかあります。
それぞれに違った特徴があり、殻の剥き方も変わってくるので、
種類別でどのような手順を踏むべきなのかしっかり確認しておきましょう。
ここからは「毛蟹」「タラバガニ」「花咲ガニ」の剥き方について詳しく解説していきます。
毛蟹
毛蟹は数ある蟹の種類の中でもサイズが小さいという特徴があります。
その分細かい作業が必要になりますが、ここで紹介する手順に沿って行えば誰でも簡単に殻を剥くことができます。
よりわかりやすく解説するために、「解体する」「身を取り出す」という2つの工程に分けながら詳細に触れていくのでしっかりと目を通しておきましょう。
解体する
解体する際は、まず「ふんどし」と呼ばれる腹の三角の部分を包丁で剥がしとることから始めましょう。
ふんどしを取り除いておくことでその後の殻剥きが楽になります。
中央に包丁を入れて腹部を2つに割り、ふんどし側から甲羅を剥がしていくようにすると簡単に剥がすことができます。
このとき、蟹みそがお腹についていることがありますが、蟹みそにも旨味がたっぷりあるので流れ落ちないよう包丁などを使って甲羅に落としておくようにしましょう。
ふんどしが剥がせたら次は「ガニ」を取り除きます。
「ガニ」とは、脚の付け根付近についている白いびらびらした部分ですが、基本的にガニを食べることはできないのでこの時点でしっかり取り除いておきましょう。
ガニが取り除けたら、毛蟹の脚の付け根、柔らかい関節部分に包丁やキッチンバサミを入れて腹部と脚を分離させます。
腹部は5つの部分に分かれるので薄い殻の線に沿って割くようにしましょう。
身を取り出す
身を取り出す際は、まず殻を剥きやすくしておくことが大事です。
脚の関節を包丁やキッチンバサミで2つに分けておきましょう。
続いて、毛蟹の脚の内側の白くなっている柔らかい部分にハサミを使って切り込みを入れていきます。
切り込みを入れたらそこから殻を外して身を取り出していきましょう。
ハサミ以外にも包丁で縦に切り込みを入れることで身が取りやすくなります。
コツは、脚の根本のほうから割りばしでつつくことです。
蟹の身はほぐれやすく、やり方によっては取り出した身がボロボロと崩れてしまう可能性がありますが、根本部分からつつくことである程度まとまった形で身を取り出すことができます。
身があるのは脚の部分だけではありません。
腹部の残った身も割りばしで丁寧に取っておくようにしましょう。
タラバガニ
タラバガニは蟹の王道ともいえる種類で、サイズが大きく身もぎっしり詰まっているので非常に人気があります。
美味しく食べられるように、正しい剥き方を確認しておきましょう。
ここでも先ほど同様、解体方法と身の取り出し方の2つの工程に分けて解説していきます。
解体する
タラバガニも毛蟹と同じで、まず包丁を使って腹部のふんどしを剥がすことから始めます。
毛蟹のふんどしは、黒い筋を取り除けば食べられるようになっているので、ふんどしの周囲の膜をハサミで切り食べられる部分だけ残しておくようにしましょう。
続いて、中央に包丁を入れて腹部を2つに割り、ふんどし側から甲羅を剥がしていきます。
このとき、蟹みそが出てきますが、タラバガニの蟹みそは独特の風味があるので食べないケースが大半となっています。
甲羅に寄せて一緒に処分しましょう。
甲羅が剥がれたら、キッチンバサミなどを使って脚の付け根の柔らかい部分から脚を切り離します。
タラバガニにもガニがあります。
また、タラバガニのガニは毛蟹のガニと違ってねずみ色のような色味をしています。
食べられないのでしっかり取り除いておきましょう。
最後に薄い殻に沿って腹部を4つに割いておきます。
こうすることで身が取り出しやすくなります。
身を取り出す
タラバガニの身を取り出す際は、脚の付け根と関節の手前からそれぞれ1cmほど離れた場所にハサミや包丁を入れます。
脚を2つに切り分けたら、まず根元側の太いほうを下にして叩いたり振ったりしてみましょう。
ぎっしり詰まった身がそのままごっそり出てきます。
そして、脚の細い部分や鋏はハサミで切れ込みを入れて割りばしでつついて身を取り出しましょう。
続いて腹部の身ですが、あらかじめ割いておいた4つのブロックにハサミで切れ込みを入れて薄い殻を割れば簡単に取り出すことができます。
花咲ガニ
花咲ガニも美味しく食べられる人気の種類ですが、甲羅のトゲがほかのものに比べて鋭くなっているので殻を剥く際は怪我をしないようにしなければなりません。
楽しく食事をするためにも、どのような手順を踏めば食べやすくなるのかしっかり確認しておきましょう。
解体する
花咲ガニを解体する際は、まず脚の付け根の柔らかい部分にハサミを入れて脚を胴体から切り離しましょう。
その次に腹部のふんどしを取り外します。
このときポイントとなるのが、ほかの蟹と違って花咲ガニのふんどしにはときどき外子と呼ばれるオレンジ色の卵が付いているということです。
これらは蟹みその旨味が詰まっていたり、食感が独特だったりして非常に美味しく食べられるので捨てないようにしましょう。
続いて、ふんどしを取り外した後の穴に指や包丁を入れて甲羅を取り外します。
花咲ガニの蟹みそは問題なく食べられるのでこぼれないように甲羅を下にして作業することを意識しましょう。
脚の付け根近くにあるねずみ色のガニは、ほかの蟹と同様食べられません。
あらかじめ取り外しておきましょう。
蟹はいくつか種類があり、剥き方もそれぞれ微妙に異なります。
とはいえ、大筋の工程はどの種類も変わりなく、だいたい同じ手順で剥けるようになっています。
蟹は種類によって違った味わいがあり、どれも人気の食材なので種類ごとに応じて剥き方のコツを知っておけば、より楽しく食事をすることができるでしょう。
道具があれば誰でも簡単に殻を剥くことができるので、ぜひ今回の記事を参考に実践してみてください。