海老下処理の方法とは? エビフライや天ぷらの下処理についても解説

海老はさまざまな調理法で美味しく食べることのできる人気食材です。
しかし、海老は適切に下処理を施さなければ、臭みや汚れなどが残ってしまう場合があります。
海老を調理する際にはどのような処理をすればいいのでしょうか。
この記事では、海老の下処理方法や下処理した後の保存方法、エビフライや天ぷらなどにする際の下処理のポイントなどについて解説していきます。

目次
  • 基本的な海老下処理の方法
    • 背わたを取る
    • 臭みや汚れを取る
    • 下茹でする
  • 下処理した海老の保存方法
    • 1~2日保存する場合
    • 3~5日保存する場合
  • エビフライや天ぷらを作るときの海老下処理のポイント

基本的な海老下処理の方法

海老の下処理方法は、どのような料理に使うかによって変わってきます。
しかし、基本的な下処理方法としては、「背わたを取る」「臭みや汚れを取る」「下茹でする」の3工程が挙げられるでしょう。
それぞれの手順について紹介します。

背わたを取る

海老の下処理としてまずおこなうのが背わたを取ることです。
背わたとは海老の大腸にあたる消化器官のことで、背側にあることから背わたと呼ばれています。
この背わたは、食しても特に問題はありません。
害があるわけではないのですが、砂やプランクトン、虫などが背わたの中に残っているケースもあります。
また背わたを残しておくことで、食べた際に口当たりが悪くなったり、日が経つにつれて臭みが増したりすることもあるのです。
そのため、下処理段階で背わたを取り除いておいたほうがいいでしょう。

海老の背わたは、背中の中央辺りにあります。
浅い部分にあるため、背わたが透けて見えることが多いでしょう。
海老の背わたを取り除く際には竹串を使います。
竹串を海老の殻の境目に刺して、背わたをすくうようにします。
海老の背を丸めたときに一番盛り上がっている部分に竹串を刺すことがポイントです。
背わたは柔らかく切れやすいため、ゆっくりと優しく竹串を引き出していきましょう。
ある程度まで引き出したら、最後は指でつまんで優しく引き抜きます。
竹串ではなく爪楊枝でおこなっても構いません。
どうしても背わたが取れない場合には、殻を剥いて背に包丁を入れてかき出します。
ボイルしてから背に薄く包丁を入れてかき出しても大丈夫です。

臭みや汚れを取る

海老の臭みや汚れを取るためには、片栗粉と塩を使います。 片栗粉は粒子が非常に細かいのでしっかりと海老の汚れを吸着してくれますし、塩には海老の身を引き締めてプリっとさせる効果と、臭みや汚れを浮かび上がらせる効果があるのです。
そのため、この2つを合わせて使うことで、浮かび上がらせた臭み・汚れをしっかりと取り除くことができます。

まずは、背わたを取り除いた海老の殻を剥いてボールに入れます。
その上から、塩小さじ1を振りかけましょう。
そのまま粘り気がでるぐらいまで塩を揉みこみます。
粘り気が出たら片栗粉大さじ2を加えてさらに揉み、全体に片栗粉が馴染むようにします。
汚れが浮き出てきたらザルにあげて流水できれいに洗い流しましょう。
最後にキッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭ったら完了です。
まだ汚れや臭みが残っていると感じたら、同じ工程を繰り返します。
また、この分量は海老10匹分ぐらいを想定していますので、もっと多くの海老の下処理をする場合には塩と片栗粉の分量を増やしておこないましょう。

下茹でする

生の海老は、時間が経つにつれてどんどん鮮度は落ちていってしまいます。
そのため、生で調理しなければいけない料理以外に使うのなら、下茹でをしておくといいでしょう。
下茹でをするのなら、殻がついたまま茹でるのがおすすめです。
殻がついていたほうが海老の身が縮みにくくなります。
また、茹でたほうが殻を剥きやすくなるので、下茹では殻つきのままおこないましょう。

まずはお湯を沸かして塩を入れます。
このとき、少し塩気を感じるぐらいの塩を入れるのがポイントです。
沸騰したお湯に海老を投入して、2~3分程度茹でます。
茹で時間は海老の大きさなどによっても変わりますので、サイズによって調節しましょう。
2~3分茹でたらザルにあげて、1~2分放置します。
こうすることで、余熱によって海老に火が通るため、身が硬くなりすぎることを防ぐことが可能です。
すぐに冷ましたいからと水をかけてしまう人もいますが、これはいけません。
水をかけてしまうと塩気が飛びますし水っぽくなってしまうのです。
そのため、うちわなどであおいで冷ましてから冷蔵庫で保存します。

海老に火が通っているかどうか心配なときには、身の中央を切ってみましょう。
真っ白になっていれば問題ありません。
透き通っている部分が残っているような、もう少し火を通す必要があります。

下処理した海老の保存方法

下処理した海老を保存する場合には、期間によって保存方法を変える必要があります。
ここでは、1~2日保存する場合と、3~5日保存する場合の保存方法について解説します。

1~2日保存する場合

下処理をしっかりと施した海老なら、生の状態であっても保存袋に入れて保存すれば冷蔵で2~3日は問題ないといわれています。
冷蔵庫にチルド室があるのなら、チルド室に入れて保存するのがベストでしょう。
生の海老を冷蔵保存する際のポイントとしては、水気をしっかりと拭きとることが挙げられます。
水気が残っていると、保存状態が悪くなってしまいます。
そのため、キッチンペーパーなどで水気をきちんと拭ってから保存袋などの密閉容器に入れて、空気に触れないように保存しましょう。

3~5日保存する場合

3日以上保存したいのなら、そのままの状態ではなくオイルや麹、酢などに漬けておいたほうがより長持ちします。
たとえば、オイルにトウガラシやハーブ、ニンニクなどを入れてそこに海老を漬けます。
こうすることで、長く保存できますし焼くだけで美味しく食べることができます。
下処理した生の海老を塩麴に漬けておく、ボイルした海老をオイルとハーブに漬けておくのも、使い勝手がいいでしょう。
ボイルする際にレモンと一緒に茹でておくのもさわやかでおすすめです。
3~5日程度ならオイル漬けなどが便利ですが、それ以上の長期間保存したい場合には、冷蔵ではなく冷凍で保存する必要があります。

エビフライや天ぷらを作るときの海老下処理のポイント

海老はさまざまな食べ方のできる食材ですが、その中でもエビフライや天ぷらは人気の高い調理法です。
しかし、エビフライや天ぷらなどの揚げ物をするさいには、特別な下処理ポイントを押さえておく必要があります。
海老は、火を通すと背中が丸くなるという特性を持っています。
そのため、しっかりとした下処理をしないと、エビフライや天ぷらにした際に丸まってしまって形が悪くなります。
エビフライや天ぷらにする場合には、揚げても海老がまっすぐになるような下処理をしましょう。

下処理の仕方は簡単です。背と腹に数カ所ずつ切り込みを入れるだけで大丈夫です。
このときに、切り込みが浅すぎても深すぎてもいけません。
海老の身の中間ぐらいまで切り込みを入れるのがポイントになります。
切り込みが浅すぎると海老が丸まってしまいますし、深すぎると身が切れてしまいますので気をつけましょう。
切り込みを入れたら海老がまっすぐになるように手で伸ばします。
伸ばしたときにパキッと音がするのが確認できれば大丈夫です。
この工程をおこなうことで、ピンと伸びた形のいいエビフライや天ぷらができあがります。
エビフライを作る際には、衣をつけるところまで準備して冷蔵保存しておくといいでしょう。
下処理してから保存しておくことで、調理が楽になります。

料理で海老を使うときは丁寧に下処理をしよう

海老は下処理をしっかりと済ませておかないと、臭みや汚れなどが出てきてしまいます。
せっかくの美味しい海老も、臭みなどが目立ってしまうと台無しですし、料理の味にも悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
また、下処理をした後の保存方法にも、気を配る必要があります。
美味しい料理を作るためにも、海老の下処理は丁寧におこない、適切な保存方法で保存しましょう。